未経験や第二新卒でも販売職に転職するには?仕事のやりがい、スキル、転職方法の本当のところ
ネットスーパーや宅配サービスの台頭に加え、コロナ禍もあり、以前と比較すると需要が縮小しつつある店舗販売。販売職への転職も、様相が変わってきているようです。未経験から転職することは可能ですが、転職成功を勝ち取るためにはその本質をしっかりと理解する必要があります。
この記事では、販売職の本質や転職の道のりについて詳しく解説します。
この記事のもくじ
販売職とは?
販売職とは、店舗に来店したお客さまに有形/無形の商品やサービスを販売する職業のことを指します。販売職として働く従業員の勤務先も、コンビニやスーパーなどの身近な場所から旅行会社や保険会社までと多岐にわたります。しかし、すべてにおいて共通するのは、お客さまに「対面で」接客するという点にあります。
近年のコロナ禍においては、セルフレジや接客ロボットを導入する企業も増えましたが、対面での販売スタイルはやはり消費者に安心感や満足感を与えるものです。人間ならではの臨機応変かつ柔軟な対応は、決してAIには真似できません。そのため販売職は、この先どんなにAIが進化しても生き残る職業のひとつだと言われています。
なお、販売職に類似する職種に営業職が挙げられます。どちらも商品やサービスを販売することには変わりありませんが、販売職の場合はお客さまが店舗に「来る」(受身)、営業職の場合は店舗を持たず、お客さまのところへ「出向く」(攻め)というのが一般的です。また、ターゲットも、販売職は購買意欲のあるお客さまですが、営業職はそうした意欲がない個人や企業も対象としているのが大きな違いです。
また、販売職は、業種的には接客業として分類されています。志すにあたって、まずは接客業の基本を学んでおくと良いでしょう。
販売職は、
- 販売職は、顧客に対面でモノやサービスを販売する職業
- AIが代替するのは不可能
- 販売職は接客業のひとつに分類されること
販売職の役割・仕事内容
人気の販売職にはどのような役割や仕事内容があるのでしょうか。
お客さまの購入サポート
販売職のメイン業務は、来店したお客さまが商品やサービスを購入する際のサポートです(接客・会計)。お客さまが商品やサービスを購入することで企業は利益を得るため、個々の販売スキルが企業の業績や成長を支えていると言っても過言ではありません。そのため、企業によっては、販売員に厳しいノルマを課している場合もあります。
在庫管理やレイアウト決めも仕事のひとつ
特に有形商材を販売する店舗においては、商品の品出しや在庫管理、棚卸し、レイアウト決め
なども販売員の業務のひとつ。キャリアを積むと、店長やマネージャー、バイヤーなどに抜擢されたり、本社のバックオフィススタッフとして活躍するチャンスもあります。
販売職の仕事の魅力ややりがいは?
販売職には大きく3つの魅力とやりがいが挙げられます。人と人のつながりを他の職種よりも感じられることが一番の魅力とも言えるでしょう。
ビジネススキルが自然と身につく
ビジネスの基本は、商品やサービスを提供することにあります。そしてそれを最前線で体感できるが、販売職の仕事の醍醐味です。接客や販売など日々の業務を通じて、どんな業界でも応用できるビジネススキルが自然と身につきます。
自分に自身が持てる
また、「人」が相手である販売職の業務では、お客さまに直接感謝される機会が多く、大きな達成感を得ることができます。毎日の小さな達成感を積み重ねることで自分にも自信を持てるようになります。
人と人とのつながりを感じられる
さらに、お客さまとの距離が近いところも販売職の魅力のひとつです。人と人とのつながりは、決してお金では買えない財産です。その財産を、業務を通じて築き上げることができるのは、販売職ならではの特権でしょう。
販売職の仕事の魅力ややりがいは、
- ビジネススキルが身につく
- 日々成功体験を積める(自分に自信がつく)
- お客さまとの信頼関係を築ける
などが挙げられます。
販売職の仕事で大変なこと
販売職の仕事は魅力だけではなく、大変なこともたくさんあります。
休みは平日なので友人や家族と時間を合わせにくい
販売職はお客さまありきの職種なため、人の流れが活発な土日祝日は出勤、というケースがほとんどです。そのため、友人や家族となかなか予定を合わせづらいというのが実情です。
給与が低い傾向にある
また、給与が低い、というのも販売職のネックのひとつ。厚生労働省の「令和元年賃金構造基本統計調査による職種別平均賃金(時給換算)(※)」によると、販売店員(正社員・百貨店店員を除く)の給与を時給換算すると、基準値は1,009円。パートやアルバイトの時給とそう変わりません。一方で、全体の基準値は、1,272円。いくら憧れの販売職に就けても、これではモチベーションが上がらないのもしょうがありません。さらに、給与をかさ上げするにも、キャリアアップして役職につくしか道が残されていないようです。
クレームがくることもある
お客さまと対面で接して直接「ありがとう」の言葉をいただけるのが販売職のやりがいのひとつですが、一方で、お客さまからのクレームとも背中合わせです。中にはいわれのないクレームもありますが、相手はお客さま。ひたすら頭を下げるのみです。
売上目標がある
販売職で正社員として働く上で避けて通れないのが「売り上げ目標」です。たとえノルマがない店舗であっても、企業や店舗が定める売り上げ目標は、日単位のものから「○年後」という中長期的なものまでと多岐にわたります。
目標を達成しようにも、販売職は来店するお客さまがあっての職業。自分ひとりでどうこうできるものではありません。特にキャリアアップして店長などのポジションに就いた際には、店舗の売り上げが自分の評価にも直結するのがプレッシャーにもなります。
販売職の仕事で大変なことは、
- カレンダー通りの休みが取れないこと
- 給与水準が低い
- 良いお客さまばかりとは限らない
- 「売り上げ目標」に翻弄されること
などがあります。
(※) https://www.mhlw.go.jp/content/000685358.pdf
販売職への転職を未経験や中途から目指すには?
結論から言うと、未経験や中途から販売職に就くことはまったく難しくはありません。現役販売員の中には、接客や販売とはまったくの無関係の畑から転職している人はもちろん、無職やフリーターから正社員で販売員の職業を手に入れた人も大勢います。
販売職は、年齢や資格、スキルなどの制限も最小限であり、幅広い立場の人々にその門戸が開かれています。ただし、職業柄立ち仕事が多く体力を消耗することに加え、人前に出るため見た目も重視されます。そのため、できるだけ若いうちに挑戦することをおすすめします。
販売職への転職を未経験や中途から目指すには、
- 未経験や中途でも販売職は目指せる
- 若ければ若いほど良い
などが重要です。
販売職志望に求められる具体的なスキル・資格や人柄
販売職に求められていることは、人からどう見えるかや、コミュニケーション能力が主になります。
コミュニケーション能力
販売職は、お客さまと直接コミュニケーションをとることになるので、丁寧な言葉遣いなどのビジネスマナー、一人ひとりのお客さまオーダーメイドの接遇が必須です。店舗の「顔」として恥じないような接客を心がけましょう。
商品の理解度
取り扱っている商品やサービスについての疑問や相談に100%で応えることは、販売員の基本中の基本です。いつ、どんな質問をされてもいいように、頭の中の辞書に商品やサービスの知識をインプットしておくことが重要です。また、商品やサービス以外の変化球的な質問を投げてくるお客さまもいらっしゃいます。日頃からさまざまなことにアンテナを張り巡らせ、トークの引き出しをたくさん用意しておきましょう。
清潔感や身だしなみを整える
店舗でお客さまと直接向き合って接客・販売を行うことから、販売員は企業の「顔」としての役割を担います。そのため、最大限の清潔感や身だしなみでお客さまに対しておもてなしをしなくてはいけません。頭の先から靴の先まで、一切手を抜かず自分磨きに努めてください。
販売職志望に求められるのは、
- 基本は笑顔! コミュニケーション能力
- 知識の「引き出し」
- お客さまのお手本となる「身だしなみ」「身のこなし」
などです。
未経験/第二新卒だけど販売職を目指してみたい!それは可能?
販売職は、ほかの職種と比較するとハードルが高くはない職種に該当しますが、人気のブランドショップや不動産、保険などの高額商品やサービスとなると話はまた別です。求人倍率も高く、「買い手市場」であることも珍しくありません。
そうした人気求人を狙うなら、転職エージェントの力を借りるのが得策です。転職のプロが無料でサポートをしてくれるほか、非公開の求人を紹介してくれることも。登録するだけで転職活動を効率的かつ有利に進めることが可能です。特に未経験や第二新卒に特化したエージェントなら、転職成功の確率もさらにアップするでしょう。おすすめのエージェントはこちらの記事でご紹介しています。
まとめ:学歴も資格も必要なし! ビジネスの「祖」を学べる販売職
販売職はお客さまありきの職業であり、仕事を通じて、お客さまをハッピーするとともに企業の利益にも寄与できる、とても社会貢献性が高い仕事のひとつです。
特に未経験や第二新卒は社会人経験が浅く、転職を検討する際にもどんな仕事なら自分に向いているのか頭を悩ませがちですが、販売職なら自然とビジネスの基礎が身につくので、次の職業にキャリアチェンジする際にも有利となります。老若男女、さまざまなタイプのお客さまと関わりを持てるのも、貴重な社会勉強になることでしょう。
学歴や資格が不要の求人がほとんどなので、優秀なビジネスマンへの第一歩として販売職の世界に飛び込んでみてはいかがでしょうか。