不動産業界へ就職したい!第二新卒や既卒は何からはじめるべき?
賃貸物件を探す際に、必ずお世話になるのが不動産屋さんです。担当者が親身になってくれたことをきっかけに、住居を通じて人々に貢献する不動産業界に興味を持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか。また、他業種に比べてお給料が良さそうな点も魅力的です。
第二新卒や既卒が不動産業界に足を踏み入れるためには、まず下記3点からアクションを起こしてください。
- 不動産業界について理解する
- 入社後のキャリアプランを明確にする
- 不動産業界に特化した転職エージェントに登録する
この記事では、第二新卒や既卒が不動産業界に就職するためのノウハウについて指南したいと思います。
この記事のもくじ
未経験から不動産業界へ就職したい!求人はある?難易度は?
不動産業界への転職を検討した時に、気になるのがその難易度です。一般的に不動産業界は他業種に比べて間口が広い傾向にあり、未経験者でも挑戦可能です。ただし、職種により求人の有無や難易度はバラバラです。代表的な職種別に見ていきましょう。
「家」というものは、人の生活の基盤になるものです。不動産業者は、その基盤づくりのお手伝いをします。人の生活に直結するだけあり責任は重大ですが、うまくマッチングできれば大きな充実感、達成感を味わうことができる業界です。まずは不動産業界についての正しい知識を身につけた上で、地に足をつけて転職活動を行うようにしましょう。
賃貸
マンションやアパート、駐車場や事務所等の賃貸業務を担当します。業態も大手賃貸会社から街の小さな不動産屋さんまで幅広く、かつ求人数も多いため、難易度も低めです。また、持ち家<賃貸、という選択をする方が増えていることにつき、今後も賃貸業務の需要は増え続けていくことでしょう。
販売
顧客の注文通りの家をつくって売る注文住宅販売、土地と家をセットで販売する建売住宅販売、マンション分譲販売などがあります。仕事内容は営業メインで、大きな買い物となるため顧客との信頼関係を築くことが大きなミッションです。大手から中小まで幅広い求人があり、未経験でも応募可能な求人もあります。
ディベロッパー
「ディベロッパー(developer)」とは、「開発業者」という意味です。不動産業界においては、土地の開発を行う業者のことを意味します。しかしながら、土地開発の業務を担うのはごく一部の人間だけでほとんどは営業の仕事に従事します。
とは言え、大手不動産ディベロッパーは人気が高く、学歴フィルターもあり難易度はかなり高めです。また、営業職の経験もない場合は、30歳までの転職が基本になっています。
不動産コンサルティング
顧客が所有する不動産の活用方法をアドバイスするのが不動産コンサルティングの仕事です。とくに資格などは必要ありませんが、日本ではまだまだ大きくない市場なので求人も少なめ、難易度も高くなっています。
「公認・不動産コンサルティングマスター」という資格を持っていれば有利ですが、この資格を取得するための受験資格があるのは宅地建物取引士資格登録者、不動産鑑定士、一級建築士いずれかの資格を持っている人のみだということを心得ておきましょう。
第二新卒や既卒が不動産業界へ就職する方法
不動産業界にもさまざまな職種があることは前述のとおりです。未経験OKというのはほぼ営業職となりますが、オフィスでの事務職という選択肢もあります。
ただし、営業職も事務職も求人が多く、どこの企業を選択して良いのか分からないのが困りどころです。また、求人に記載されている内容も大差がないのでますます目移りしてしまいます。
そんな中、不動産業界に特化した転職エージェントが存在することをご存知でしょうか? 不動産業界に精通した転職のプロが、不動産業界を希望するあなたの転職をサポートしてくれます。非公開求人も紹介してくれて、専任のコンサルタントが面接の指導なども行ってくれるため、未経験からでも理想的な不動産業界への転職を実現できますよ。
代表的な大手不動産会社には第二新卒でも就職できる?
結論から言うと、就職は可能です。ただし、職種にもよります。賃貸や販売などの営業職、事務職であれば、大手でも入社のチャンスはあるでしょう。なお、未経験でも問題はありませんが、いずれの職種においても普通自動車免許が最低限必要です。
ただし、大手だからといってとくにお給料が格段に高いわけではなく、営業の場合、基本は「基本給+歩合給」となり、営業成績が良くなければ給料アップも出世も難しいようです。大手にこだわるよりも、企業との相性や勤務条件で転職を検討した方が良い場合もあるということを頭に入れておきましょう。
不動産業界で働く魅力とは?
「ノルマがキツそう」「激務」など、悪いイメージを持たれがちな不動産業界ではありますが、そのイメージを払拭するだけの魅力も持ち合わせていることも事実です。具体的な魅力について探ってみました。
「住」を通じて、人々のQOL向上に貢献できる
私たちの暮らしに必要不可欠な「衣・食・住」。その「住」の領域で活躍できるのが、不動産業界です。人々の暮らしに大きく関わる業務のため、責任感やプレッシャーは計り知れません。それだけに、お客さまの希望に応えることができて「ありがとう」と感謝された時は、大きなやりがいを感じることでしょう。人々のQOL向上のお手伝いができる…。それが不動産業界で働く魅力のひとつです。
頑張れば頑張った分だけ収入に反映される
職種にもよりますが、インセンティブ制度を導入している不動産会社では、自分の頑張りがそのまま収入につながります。大きな契約を取り付ければ、若手社員でも数百万円のインセンティブを得られる可能性もあります。
会社にもよりますが、年功序列とは無縁の、完全に成果主義の世界なので、自分のスキルに自信がある人なら、一攫千金を狙うことも夢ではありません。
人間として大きく成長できる
他業種と比較して、不動産業界で働くことはさまざまな年齢、立場、職業の方が顧客となります。そのため、ペルソナマーケティングとは真逆のマーケティングを講じねばなりません。
ターゲットが不特定なため、自分の世界では出会うことができなかった人種に出会い、異なった価値観に触れることで、人間的に一回りも二回りも成長することができます。
そうして培った柔軟性や知識、新たな価値観は今後の人生において大きな糧となり、自分自身の成長につながるとともに、将来的に独立する際などセカンドキャリアの形成時にもプラスに働くことでしょう。
不動産会社の中でも、ホワイト企業を見分けるには…
ブラック企業の巣窟とまで言われる不動産業界。その中でもホワイト企業を見分けるには、どのような点に着目すれば良いのでしょうか。そのポイントをいくつかご紹介します。
福利厚生が充実している
正社員として入社する場合は、労災保険・雇用保険・健康保険・厚生年金の加入が義務付けられています。全部揃っているのなら、少なくともブラックではないと考えて良いでしょう。産休制度や育児休暇制度まで用意しているようならホワイト確定!
中小の不動産会社ではこれらの制度が整っていないこともあります。応募する前にしっかりと確認しておきましょう。
年間休日日数が114日以上
厚生労働省の「平成31年就労条件総合調査」によると、労働者ひとり当たりの年間休日の平均日数は114.7日となっています。この数値を上回っているようなら、ホワイトと言えるでしょう。
また、不動産業は土日が勝負の仕事なので土日休みがほとんどありません。しかしながら、中には稀に土日祝休みの不動産会社も存在します。土日休みにこだわりたいのであれば、そうした不動産会社を選択すれば週末に英気を養って月曜から仕事をすることができますよ。
業績が安定している
どんなにお給料の高い職場であっても、倒産してしまってはまったく意味がありません。ホワイトは常に業績が安定、あるいは上向きで、倒産の可能性も最小限で済みます。気になる求人を見つけたら、まずはその不動産会社の業績もチェックしてみてください。
不動産業界がブラックと言われる理由って?
一般的に、不動産業界=ブラック、というイメージが横行していますが、実際のところどうなのでしょうか。厚生労働省の「厚生労働省発表 平成30年雇用動向調査結果の概況」によれば、不動産業界(不動産業・物品賃貸業)の離職率は13.7%。全業種における離職率が14.6%であることを考えると、決して高い数値ではありません。
にも関わらず、なぜ不動産業界=ブラック説がひとり歩きするのでしょうか。その背景にあるのは?
休日が不安定
不動産会社は、基本的に土日休みではありません。これは、お客さまの来店率が平日よりも土日の方が高いことに起因しています。また、営業職の場合は、たとえ休日であってもお客さまから問い合わせがあった際には対応することも。これじゃ気が抜けませんよね。そのため、ブラック企業のイメージが強いのだと思われます。
給与が不安定
不動産会社の中には、残業をしても残業代がつかず、朝から夜9時くらいまで働かなくてはならない企業も少なくありません。それだけ拘束されながら、基本給は新卒程度ということもザラです。インセンティブ制度を導入している企業においては、契約が成立した月と不成立だった月の給与の開きがとても大きいことも。収入が安定しないと衝動的な買い物はもちろん、ボーナス払いなどのローンなどもなかなか組むことが難しいですよね…。
体育会系である
不動産業界は体育会系と言われており、契約至上主義、実力主義的な側面が色濃いのが特徴です。不動産業界を舞台としたテレビドラマなどでは成績表が貼り出され、ノルマを達成できない人は上司から同僚の前で叱咤される…なんてシーンもよく見かけますが、それがブラックなイメージを助長しているのかもしれません。
事実、それが日常茶飯事で行われている企業も存在し、精神力や根性を叩きのめされて離脱する人も多いのが実情です。
クレームが避けられない
不動産会社は売買・賃貸ともに高額商品を取り扱うため、他業界よりもお客さまからのクレームが多い傾向にあります。たとえこちらに非がなく理不尽なクレームだとしても「お客さまは神様」のため、逆らうことはできません。
そんな業界体質から、ブラック産業と呼ばれているようです。精神的にタフな人でないとやっていけないかもしれません。
採用時に不動産営業志望に求められる具体的なスキルや人柄
不動産営業にとくに資格は必要ありません。では、どのようなスキルがあれば採用にプラスになるのでしょうか。営業の仕事にスポットを当ててご紹介します。
コミュニケーションスキル
営業の仕事は、顧客とのコミュニケーションや信頼関係の構築こそが売り上げに直結します。それゆえに、コミュニケーションスキルは必須となります。過剰なコミュニケーションは逆に「怪しいのでは…」「急かされているのでは…」と思われてしまうこともあるので、程良い距離感をキープすることがポイントです。
運転スキル
営業の仕事には車の運転が付き物です。とくに賃貸担当の営業の場合はお客さまを乗せる必要があるため、安全運転に徹する必要があります。運転に自信がなければ務まりません。
不動産に関する専門知識
インターネットが普及した今、不動産に関する知識についても個人で簡単に調べられるようになりました。独学でも良いので、入社前にある程度の不動産に関する知識を身につけておけば、採用担当者の心象も良くなるでしょう。
誠実な人
前述のとおり、営業の仕事は信頼関係の構築が肝となります。売り上げのために顧客を陥れるようでは、営業の仕事は成り立ちません。もちろん売り上げは重要ですが、あくまでも誠実な態度で、顧客の立場に立って接することができる人は重宝されます。
不動産業にかける熱意がある人
不動産業に限ったことではありませんが、仕事への熱意があり、キャリアアップしたい、という人は高評価です。とくに不動産業は成果主義。やればやっただけ自分に返ってきます。そこに年功序列はありません。年齢というしがらみにとらわれずバリバリ働ける土壌があるので、チャレンジ精神旺盛な人にはぴったりです。
未経験で応募する場合に勉強しておきたい知識やスキル
不動産業界は特に資格や経験を必要としない業界であり、未経験でも就職・転職することは可能です。もちろん、第二新卒や既卒も歓迎しています。ただし、厳密に言えば、「職種によっては」未経験でもOKなだけに過ぎず、当然未経験者よりは経験者の方が優遇されます。
そのため、まったくの未経験者が不動産業界を志す場合は、不動産業界への理解を深めるべく応募の前に「予習」しておきましょう。採用率アップにつながります。特に不動産業界には独特の業務や慣習があるため、予習すればするほど実際の業務をスムースに遂行できますよ。
不動産関連の知識を学ぶ
不動産業界で働くためには、法律や建築などの難しい知識も必要となります。これに関しては働いているうちに否応なしに叩き込まれるので、応募する前に予習する必要性はそこまでありません。
予習が功を奏すのは、不動産業界特有の専門用語です。最低限だけでも予習しておけば面接の際に役に立つかもしれません。もっとも基本的なものをかいつまんで、簡単に説明します。
- 客付業者:お客さまを連れてくる業者
- 元付業者:不動産所有者から直接物件を預かり、客付業者に紹介する業者
- AD:契約成立後、元付業者が客付業者に支払う謝礼金
- 片手取引:仲介業者が、物件の買主からもらう仲介手数料
- 両手取引:仲介業者が、物件の売主と買主からもらう仲介手数料
- 物上げ:物件情報を仕入れて売物件にすること
- 指値:値引き交渉
- 保証会社:借主に連帯保証人がいない場合、代理で保証人となってくれる会社
不動産業界の現場で役立つ資格を取得する
不動産業界に就職したい時に持っていると便利な資格は職種によって異なりますが、どんな職種においても万能なのが「宅地建物取引士(宅建)」です。そもそも不動産業者には宅建士の設置義務があり、たとえこの資格を未保有で入社したとしても入社後に取得を勧められることが多いです。
遅かれ早かれ取得することになる資格であれば、入社する前に自主的に資格を取得した方が採用担当者の心象も良いはずだから取得しておいて損はありません。また、たとえ業務に資格が不要な事務職などであっても資格手当が付くことがあるのでおすすめです。
普通自動車免許を取得する(保有していない人限定)
不動産業界で働くために必須の資格と言えるのが、普通自動車免許です。この資格がなければ応募する資格すらない、という職種もあるので、もし未保有の場合は取得を急ぎましょう。既に保有していても、周辺の地理に詳しくなる、運転テクニックを上達させる、などの努力は怠らないように。
語学力を磨く
特に外国人居住者が多いエリアの不動産業者においては、語学力が採用を勝ち取る武器のひとつになることもあります。もしそうしたエリアで働きたいのであれば、語学力を磨いておくことも有効でしょう。
まずキャリアプランを明確にしてから慎重に転職活動を行おう
離職率が高く、常に人手不足だと言われている不動産業界。離職率が高い背景にはそれなりのネガティブな理由があります。だからこそ、転職は慎重に行いたいものですね。理想通りの転職を成功させるためには、まず業界の事情を知り、今後のキャリアプランを明確にすることが重要です。
はじめは「○年後には○万円の年収が欲しい」でも構いません。一歩進んで、「いつかはディベロッパーになって都市開発に関わりたい」「資格を取って不動産コンサルティングになりたい」などといった明確なキャリアプランを描けば、きついと言われる業務にも耐えることができるはずです。独立だって夢ではありません。
そのためには、離職しなくていい職場選びが重要です。その強い味方になってくれるのが不動産業に特化した転職エージェントです。
さらに、第二新卒や既卒の場合は、上記のような業界特化型のエージェントに加え、第二新卒や既卒向けのエージェントにも登録すると良いでしょう。初めての転職・就職は分からないことだらけなものです。誤った転職・就職活動をすると、不幸な結果にもなりかねません。
第二新卒や既卒向けのエージェントであれば、「ゆりかごから墓場まで」転職・就職のイロハをアドバイスしてくれますよ。こちらのサイトでは、第二新卒や既卒におすすめのエージェントから避けた方が良いエージェントまで、詳しく解説しています。参考にしてみてくださいね。
未経験OKというハードルの低さはそれだけハードな一面があることを意味しています。転職のプロであれば業界のハードな一面についても精通していてアドバイスしてくれるし、希望に沿った不動産会社を紹介してくれますよ。ぜひ活用してみてください!