上場企業で働くメリット・デメリット。意外な「働きがい」に大きな差が!?

上場企業で働くメリット・デメリット。意外な「働きがい」に大きな差が!?のイメージ

転職には人によってさまざまな事情がありますが、どんな事情があるにせよ、「今よりももっと高みを目指す」という想いは誰しもに共通しているのではないでしょうか。そもそも、キャリアダウンするために転職をする人は皆無です。

ある程度キャリアがある人であれば、転職先を選ぶ基準のひとつとなるのが「上場企業か否か」ということもあるかもしれません。上場企業は何と言ってもそのネームバリューが魅力的です。また、安心感がありますよね。

一方で、同じ上場企業でも、先鋭のベンチャー企業という選択肢もあります。これから上場する可能性があるベンチャー企業などもあるので、見極めが難しいもの。

これを最後の転職にするためにも、後悔しない選択をしたいものですよね。この記事では、上場企業で働くことのメリットとデメリットについてお話します。

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この記事のもくじ

上場企業で働きたい!でもそれって何?

憧れの上場企業。上場企業=大企業、というイメージは確かに浸透していますよね。どうせ働くのならば、上場企業を選んだ方が安定された将来が約束されている気もします。

上場企業とはどのような企業のことを指すのか。まずは、非上場企業との違いも含めて解説します。

上場企業とは

上場企業の「場」とは、株式市場のことを意味します。つまり、上場企業は自社の株式を発行していて、「場(証券取引所)」にて株式の売買が可能な企業のことです。投資家に株式を購入してもらい資金を集めることで、企業の持続可能な成長へとつなげます。

上場企業には「東証一部」「東証二部」「マザーズ」「JASDAQ」の4種類があり、後者2つはベンチャー企業向けの市場となります。それぞれ下記のような特徴があります。
※社数はいずれも、2020年2月時点の日本取引所グループ調べ

【東証一部上場企業】
株主数2,200人以上、流通株式数2万単位以上、流通株式数(比率)上場株券等の35%以上、時価総額250億円以上。2,159社(日本の企業全体の0.1%以下)
【東証二部上場企業】
株主数800人以上、流通株式数4,000単位以上、流通株式数(比率)上場株券等の30%以上、時価総額20億円以上。489社
【マザーズ上場企業】
株主数200人以上、流通株式数2,000単位以上、流通株式数(比率)上場株券等の25%以上、時価総額10億円以上(上場時見込み)。316社
【JASDAQ上場企業】
株主数200人以上、流通株式数1,000単位OR上場株式等の10%以上、時価総額5億円以上(上場時見込み)。スタンダード(実績を元に上場)とグロース(将来性を見込まれる)があり、計706社

上場企業と非上場企業の違いとは

上場企業と非上場企業の大きな違いは、株式を市場に公開しているかいないかです。もちろん上場の条件に達していないことが理由な場合もありますが、たとえ条件を満たしていても上場しない企業はたくさんあります。詳しくは後半で説明します。

実際に上場企業で働くと受けられるメリットは…

上場すると「資金調達がしやすくなる」などのメリットがありますが、働く側にとっても大きなメリットがあります。

社会的信用が高まる

「上場企業で働いている」=「しっかりとしている人なんだ」「高学歴なんだ」と周囲から評価されることになります。住宅ローンの審査に然り、クレジットカードの融資可能額に然り、上場企業で働いている事が有利に働く場合があります。また、結婚する時なども「上場企業勤務」というネームバリューがあれば、すんなり先方のご両親からお許しをいただけることも?!

福利厚生が充実している

福利厚生の充実度は、上場の際の審査基準ともなります。それゆえに、上場企業では福利厚生がしっかりとしているのが特徴です。企業によっては、住宅手当や家族手当があったり、ボーナスの支給額が多かったりします。

非上場企業の中にも福利厚生が充実している企業はありますが、上場企業の福利厚生の良さは「オプション」ではなく「マスト」なのがポイントです。

スケールの大きいプロジェクトに携われる

一般的に、大企業になるほど大きな資金を投じてビジネスを動かしています。新規事業に取り組んだり、研究開発に大きな予算をあてたり、そんなビッグプロジェクトにも携わる機会が増えるかもしれません。大きなビジネスに携わることで、自分の成長も身を持って実感できることでしょう。

転職時にも有利に働く

上場企業で働いている(いた)という経歴は、転職時に採用担当者の目に止まりやすい傾向があります。とくに人気の企業で応募人数が殺到した時には、上場企業の肩書きが有利に働く場合も。

ただし、スペックダウンした企業に応募する際などは、「こんなに優秀な人がウチでやっていけるはずがない」と肩書きが邪魔をしてしまうこともあるのであしからず。

上場企業で働くことのデメリットとは

上場企業のほとんどは知名度がある人気企業です。求人にも大きく「上場企業」と記載されていたりします。それゆえに応募が殺到し、採用される可能性が低くなります。これは働く以前の問題ですね。

また、運良く入社できたところで、社内ポジションの椅子取りゲームが熾烈なこともあります。これは管理職などのポストに限った話ではなく、人間関係についても言えることです。大勢の人間が就業しているわけなので、ある程度の人間関係の確執は覚悟しなくてはいけません。ポストについても人間関係についても競争なので、疲弊して心を病んでしまうことも…。

さらに、頑張りが上司の目に留まらず、「ONE OF THEM(その他大勢)」でしかない点も納得がいかないかもしれません。いくら頑張ったとしても評価されず、待遇や昇格アップにつながらないのであれば、やる気も失せてしまいます。

大手企業の中には非上場企業も確かにある

前述のとおり、たとえ上場条件を満たしていても、「あえて」上場しない大企業もたくさんあります。この背景には、非上場企業は株主の意見に左右されず、経営に自由度が高いことが関係しています。

また、非上場企業には情報開示や上場準備の手間も、発生しません。結果的にコストも削減できることになります。

例えば、大手新聞社には非上場企業が多いことで知られていますが、これはあくまでもフラットな立場で真実を報道する、という使命があるからだと言われています。

有名どころで言うと、飲料業界の長であるサントリーホールディングスも非上場を貫いています。すでに資金も知名度もあるため資金調達や過度なアピールをする必要がなく、なによりも、社員がチャレンジしやすい環境を大事にしたい、という社風を重んじているためと思われます。

上場企業かベンチャーかで悩んだ時はどう考える?

もちろん響き的に上場企業の方が良いに決まっていますが、非上場企業の中にも大企業や今後の成長が見込める企業がたくさん存在します。

上場企業には確かにメリットがありますが、いかんせん民間企業であることには変わりないので、経営不振などで株主が離れてしまうと倒産のリスクもないとは限りません。また、上場企業の求人は人気が高く狭き門のため、希望したところで採用される確率はかなり低くなります。

一方で非上場企業、とくにベンチャー企業には自由度と無限の可能性はあるのが魅力です。ただ、人手が足りずハードワークになってしまう恐れもあります。

そんな時は原点に立ち返って、自分が転職する目的や、こうありたいという将来像を見つめ直しましょう。

それでも悩んだ時は、転職エージェントにSOSを。自分がどのような企業に、どのような働き方が向いているのか、冷静に、客観的に分析してくれるはずです。

上場企業=ブランドという考え方はもう古い!?

上場企業と言えば一般的に、「安定」「大企業」などのステイタスがありますが、たとえ東証一部上場の超がつく大企業であっても、劣悪な労働条件によって起こった痛ましいニュースも聞こえてきます。

確かに上場企業のブランド力、社会的信頼度には目を見張りますが、安易な考えで上場企業に転職してしまうと「こんなはずじゃなかった…」とミスマッチが生じるかもしれません。非上場企業で自分らしく働く方がストレスフリーだ、という考え方もあります。上場企業というだけで判断せず、就職後の働き方も考えた上で選びましょう

最後の転職にするためにも、上場企業のメリットやデメリット、そうでない企業のメリットやデメリットを天秤にかけた上で、慎重に転職活動を進めるようにしましょう。