公務員から転職しようと思うけど…。周囲から反対される。転職したら後悔する?
公務員の仕事に飽きて、転職を考えるようになってはいませんか?絶対的安定を武器にしようと思ってなった公務員という職業でも、実際に合格して働きだしてみたら業務内容も働き方もイメージと違っていたと思われる方は多いようです。特に親御さんからの公務員からの転職に反対意見が多く悩まれる方が多いですが、実際のところその転職は吉なのでしょうか。この記事では公務員からの転職にフォーカスして解説します。
この記事のもくじ
【結論】公務員からの転職は慎重に考えたほうが良い
公務員採用試験に合格しないとなれない公務員という職業に従事している方々は、一般企業に勤務している方がよりも当初確固たる目標を持って職業選択をした方々なのではないでしょうか。一般的に公務員という職業は一般企業で勤務するよりも安定していると言われており、また地域を活性化したい、地域のために貢献したいという思いを持つ方々にとっては一番身近な職業とも言えます。
公務員採用試験に合格するために勉強し、無事合格して叶えることのできた確固たる目標も反故にしてまで転職したいと思われる理由にはどのようなものがあるのでしょうか。
- 想像よりも忙しい
- 狭い人間関係が苦しい
- 究極のサービス業だと感じる(クレーム処理が多い)
- (若いときは特に)多忙な割にお給料は低いと感じる
- 毎日が単調すぎる
- 年功序列の組織が嫌になった
- 頑張った結果が大きな結果にはつながらないと感じる
公務員という職業における一番のメリットであるように感じる「安定性」がネガティブな要素として感じられるときに転職を考えるようですね。しかし一方で、このような理由で公務員を辞めて一般企業に転職したことで後悔している方が多くいるのも事実なのです。
公務員から転職した人が後悔することが多い理由
勤務環境も給与も社会的地位も安定していて充実している公務員という職業から民間企業に転職して後悔してしまう方はどのような理由で後悔しているのでしょうか。
- 民間企業は仕事のペースがはやくついていけない
- 公務員時代のスキル・知識が役に立たない
- 公務員の環境と雰囲気が違いすぎる
- 労働時間(勤務時間)が長い
- 勤務地が遠い
- 転勤がある
- 公務員の方が、社会的地位が高かったように感じる
- 福利厚生が公務員時代よりも良くない
- 社宅・退職金・年金といったものの水準が低い
個人個人で感じ方はそれぞれですが、良く言われている後悔ポイントは上記のような内容が多いようです。ご自身にも当てはまるような気がする方は一度踏みとどまってみる必要がありそうです。
公務員から一般企業への転職は確かにできるが難しい
そもそも、公務員から一般企業への転職はそうたやすいものではありません。公務員として従事している期間に染み付いた習慣やノウハウが、民間企業では通用しないという後悔ポイントを挙げている方がいる通り、一般企業の採用担当者も公務員出身者にありがちなパターンを熟知しているからです。それでも一般企業から採用を貰える人はいます。どのような特徴があると公務員から一般企業への転職が可能なのでしょうか。
典型的な公務員タイプではない:前のめりに行動できる
公務員として勤務する上では、「指示待ち」が基本だった方も多くいらっしゃることでしょう。しかし、一般企業において指示待ちをしてしまう社員は使い物になりません。常にどのような努力・改善・行動をすれば良いかと考えながら提案できるような人物は一般企業からも引く手あまたでしょう。
典型的な公務員タイプではない:営業ができる
公務員経験者の特徴として、セールスが苦手であるというものがあります。確かにこれまでの職務では積極的に自社の商品を紹介し購入までつなげるという内容はなかったので辛いところかもしれません。しかし、営業スキルも自分でつけていくことのできるようなタイプは一般企業でも重宝されること間違いなしでしょう。
典型的な公務員タイプではない:マニュアルなしで行動できる
公務員の頃には、決まった方法やノウハウで仕事を進めていくことがルールとなっており、自主的に編み出した方法で何かをすることはむしろ悪とされた場面もあるのではないかと思います。しかし、一般企業にはむしろ業務におけるマニュアルそのものが存在しないことの方が一般的です。何か業務を頼まれたときに「マニュアルはありますか?」などと聞かずに、自分で考えることのできるタイプであることは一般企業に転職したいのならば必須と言えます。
典型的な公務員タイプではない:プライドにしがみつかない
一度公務員採用試験に合格して、公務員として従事した経験があることがプライドとなり、一般企業に転職しながらもその自信から離れられないという方がチラホラいらっしゃいます。確かに難関である国家公務員採用試験に向けて努力し合格できた実力はすばらしいものですが、一般企業に勤務する以上そのようなバックグラウンドはもう評価されるポイントではありません。自分はエリートなのだというプライドにしがみつくことなく、わからないことは積極的に質問し成長する姿勢を持つ人物こそ一般企業でも通用する人物と言えるでしょう。
実際、公務員の離職率はとても低い(若手だけ高め)
公務員などの職業に対して不満を持ち、転職していく方は確かにいらっしゃいますが、総務省のデータをもとに全体を見るととても少ないことがわかります。
※出典:第1表 職種別事由別離職者数(平成28年度離職者)
離職者は地方公務員全体で見た場合0.8%程度、25歳以下という区切りで見ても0.9%程度となっています。若手こそ少し全体に比べると多い数値が出ますが、民間企業で入社3年以内に3割が離職するという実態に比べるととても少ないことが見えてきます。
確かに、公務員の早期退職はメリットが多いものの…
公務員として一定期間勤務を続け、早期退職を検討している場合にはどうでしょうか。たしかに、公務員の早期退職には以下のようなメリットがあります。
- (事務次官・長官以外)退職金割増がある
- 平均2800万円程度の退職金をもらえる(勤続20年以上など条件あり)
- 退職金を手にした上でキャリアをリスタートできる
しかし、一方で以下のようなデメリットも生まれます。
- 公務員としての安定収入が終わってしまう
- 再就職が約束されている場合ばかりではない
- 公務員として培ったスキルは応用しにくい
毎年ほぼ1,000人以上が早期退職をする公務員ですが、実に安定しているポジションなのだということがおわかりいただけるのではないかと思います。
転職するかを迷った時はどうすれば?
安定した条件が魅力である公務員の職業を離れて、民間企業に転職することをポジティブに勧める方はどうしても少ないのではないでしょうか。しかしキャリアに対する思いが安定ばかりではない方にとっては息苦しい毎日となるでしょう。自分は公務員として継続していったほうが良いのか、それとも民間企業に転職してキャリアを再スタートしたらいいのか迷ったら、転職の専門家である転職エージェントに一度相談してみてはいかがでしょうか。身内で話し合うよりも、メリット・デメリット両方を挙げてアドバイスしてくれますよ!
まとめ
一度は天職になると信じて努力した公務員という職業に迷いが出てきた場合、どのようにしてキャリアを積んでいったらいいか悩んでしまうのはあなただけではありません。キャリアについて思うところが出てきたとき、相談に乗ってプロフェッショナルな意見をくれる人物にサポートしてもらうことが、何よりも良い方向への近道となることを忘れないでおきましょう。